私も小売業の出身ですが、商売の基本はやはり「あいさつ」。

その「あいさつ」の副次的効果も見逃せません。

万引き防止システムなどのソリューションを提供する米チェックポイントシステムズ社がイギリス・ノッティンガムの調査機関であるセンター・フォー・リテイル・リサーチ社により実施された『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター 2011 』(邦題『世界の小売業におけるロスと犯罪により発生するコストについての調査』)に出資し、最近その調査結果が発行されたようです。

『グローバル・リテイル・セフト・バロメーター 2011 』

昨年の調査も同じような時期に発表され、日経MJにも掲載されていたように記憶していますが、今年の調査結果によると、

・日本におけるロス率は、前年比 4.0 %増加し、売上高の 1.04 %に相当( 2010 年は 1.00 %)。

・日本の小売業におけるロス率は世界で 3 番目に低いものの、ロス総額 (注1)は 2 番目に高く、約 96 億ドル( 7,740 億円)に達し、アジアにおけるロス総額の約 53 %を占める。

・ロスの主要要因は「万引き」で、万引きによる日本の被害額は約 56 億ドル( 4,515 億円)。

・日本における小売業犯罪に要するコスト(注2)は、一般消費者一世帯あたり 185.99 ドル( 1 万 4,996 円)の負担に相当(世界平均は 199.89 ドル( 1 万 6,117 円))

・日本でのロス防止対策費用の割合は売上高の 0.15% に相当(昨年と同じ)。これは世界平均( 0.35% )、およびアジア太平洋地域平均( 0.19% )と比べると、大幅に低い割合。

(注1)ロス総額=小売業犯罪によるロス(万引き、組織的な犯罪、従業員による盗難、サプライヤー・業者による不正)+管理上のミス

(注2)小売業犯罪に要するコスト=小売業犯罪によるロス+ロス防止対策費用

とのことで、調査国のなかで日本は驚くことに第2位のロス大国のようです。

平和な?日本にあって、海外に比べると不正管理の対策などは比較的手薄だと思うのですが、”ロス率”においては世界でも低いようです。しかしながら金額ベースで見ると、アジアにおけるロス総額の約 53 %を占めているのですから、大変なことですね。

そのうちロスの主要要因は「万引き」で、万引きによる日本の被害額は約 56 億ドル(4,515億円)とのことで、記憶によると昨年はたしか約4,800億円くらいだったと思うので、多少は減っているのかもしれませんが、それにしてもすごい数字です。

また要因の2番目は、従業員による不正です。小売業での従業員の不正テクニックについてはさまざまな方法があり、私もスーパーを経営していた経験から、何度も従業員の不正を見てきましたので実例をたくさん知っておりますが、それについてはまたの機会に。。。

それにしても、これって、まさに『埋蔵金』かもしれませんね。

(図表1 日本における主要なロスの要因)

ロス

ロスの予防措置、小売業などの商品ロスのカイゼンの取り組みに”ロス・プリベンション”というアプローチがありますが、ロスを大きく3つに分けると、

1.万引き

2.社内の不正

3.伝票や商品管理の不徹底

が、主な原因でしょう。

そのうちの1(もしくは2も)がロスの主要要因だというわけです。

こういった万引きや社内不正、犯罪などの防止対策に費用を掛けるとなると大変ですが、なんとかならないものでしょうか?

お金を掛けない犯罪防止策の一つに「あいさつ」「声掛け」がよくあげられます。

ところで、セブン&アイ・フードシステムズの社長である大久保恒夫氏といえば、ファーストリテイリングや良品計画で素晴らしいコンサルティング実績を残し、2007年に成城石井の社長に招聘され、見事業績急回復を果たした凄腕の方。

大久保氏が業績を回復させるのにいつも、いの一番に取り組まれるのが「あいさつ」とのことです。

「あいさつ」を徹底するとまず苦情が相当減るそうです。

しかし「あいさつ」の効果はそれだけに留まりません。

お店や会社内で、お客様や従業員の目を見て「いらっしゃいませ」とか「おはようございます」等のあいさつがきちんとできているでしょうか?

「あいさつ」することによりお客様や従業員に対して「あなたの存在を認識しています」というメッセージとなり、相手には「私の存在は認識されている」「私は店の人に見られている」という意識を与えることになります。

「声掛け」という行為には従業員にとっては、コミュニケーションややる気を促進し、お客様にとっては”接客の気持ちを伝える””万引き対策””店内でのお客の迷惑行為に対する警告””販売促進・推奨販売”など、いろいろなことに繋がってくるものです。

つまり小売業では従業員に「あいさつ」を徹底させることで「万引きや犯罪の防止」、「お客様のリピート、集客」「販売促進」などの効果があるのです。

「あいさつ」は気持ちの持ちようで誰にでもできること。こんなに簡単で副次的効果の多い「あいさつ」を、おろそかにしていないでしょうか?

一度あなたのお店のロス率を調べてみてはどうでしょう。

万引きや不正ロスが多そうだな、店舗や社内の雰囲気が良くないな、お客様のリピートが少ないな、などと思ったら、即実践。

「あいさつ」を徹底して、利益の向上に繋がればこんなに良いことはありませんよね。