人事制度の目的
経営とは、突き詰めていけば、それを実行する「人」の問題に行き着きます。
インサイトアップ株式会社では、私自身の経営経験や体験からも、人の採用、育成、配置、評価、モチベーションアップ等、人事・組織に関する課題を重要視しています。
企業の練り上げた戦略を実行するために、人の力を組織の力に集結し、業績向上に繋がるための人事評価、賃金の設計など、トータル人事制度のコンサルティングサービスを提供いたします。
人事制度は何のために導入するのでしょうか?
その存在意義に対しては下記のような誤解も多く見られます。
人事制度に対する誤解
- 人件費削減のため
- 給料に差をつけるため
- できない従業員、やる気のない従業員を選別、整理するため
もちろんそれで良いとおっしゃる経営者もいらっしゃるでしょう。
人事制度の「管理面」だけをフォーカスしてみれば、そのような機能も確かにあるでしょう。
しかしながら、それだけにとどまっていては、本来の目的である、会社の戦略の実現のための人事制度にはなりません。
何度も繰り返しますが、戦略を実行し会社の成長に寄与する主体は「人」です。
したがって、その会社に属する「人」に対し、その会社の戦略実現や組織の成長に貢献してもらうためにどんな行動を取って欲しいのか、どんな目標や成果を生み出して欲しいのか、そのためにどのような能力を身につけて欲しいのか等を明確に示しておく必要があります。
そして、それに応えることで、個々の「人」がどのように報われるのか、成長できるのか、その会社に属していることの魅力は何なのかを示す必要があります。
以下は戦略の策定~個人の目標~フィードバック~ゴール(戦略の実現)までのイメージです。
戦略~個人目標→評価~フィードバック~ゴール(イメージ)
モラールサーベイ
人事制度のように人事・組織の課題に取り組む際、各種組織診断等で、人と組織の現状把握をしておくことも有効でしょう。
一般的に、組織を動かし活性化させていくための基本要素として、下記の3つが重要だと言われています。
①共通目的 ②業績達成(貢献)意欲 ③コミュニケーション
そして、”モラール”の代表的な定義としては、「集団のメンバーが協働を通して人間的満足を得、その集団に帰属することに誇りを持って団結し、共同して目標達成に努力しようとする心的態度」をいう、とされています。
(経営学事典 占部海道編、中央経済社)
モラールサーベイを通じて、職場の士気と勤労態度を推測し、評価して改善向上に繋げていきます。
下図は「中小企業大学校組織活性化 JSS方式 モラールサーベイ」の一例です。
中小企業大学校組織活性化JSS方式 モラールサーベイ
人事制度構築の進め方
まずは、自社の経営理念や方針、行動指針といったものが明確になっていることが必要です。
その上で、人事ポリシーを明確にします。
そして、会社と従業員が成長していく上で、従業員がどのようなキャリアプランが描けるのか?、組織設計はどうありたいのか?、そのために必要な階層や等級は?、戦略を実現する上で従業員に求める実力や行動、態度はどのようなものか?等を決めていく必要があります。
下図は、キャリアプランの設計、人事評価策定のフローの一例です。
キャリアプラン設計(例)
人事評価策定フロー
賃金の設計
自社の組織階層や実力のレベル、人事評価の詳細が決まれば、次は賃金のあり方です。
現状の賃金体系や傾向を把握し、今後一人一人に求められる実力や成果を反映することができない状態であれば、最新の評価制度に合わせて賃金の再設計をする必要があるでしょう。
下図は、標準的な賃金設計のフロー(例)です。