製造業の業務改善などをする際に、いろんな調査分析をしたりするのですが、その中でワークサンプリングという調査があります。
工場などでその分析の対象と作業内容を定義して、観測者が定時おきに巡回して見た瞬間に作業者が何をしているかを観測していくわけです。
大まかに、主体となる作業、付随作業、準備作業、余裕などと分別していき、普段ざっくりとしている仕事活動内容を定量的に見える化し、現場のムダや問題点を見るわけです。
1日だけの観測だと、こうだと決めつけてしまうことはできないのですが、それでもかなり無駄な時間、何をしているのかわからない時間、あるいはオイオイあの人どこ行っちゃったの?なんてことが往往にしてあるものです。
さて、工場だけでなく営業部署や、あるいは製造業ではなく、他のサービス業や流通業ではどうでしょうか。
他の部署や、他の業種でもこうした分析を一度してみるといろいろな気づきがあるのではないかと思います。
前に日経MJで婦人服のカリスマ販売員さんのことが記事になっているのを見ましたが、彼女が他の販売員さんと大きく違うのは、常にお客様が見える位置にいて、お客様の良いタイミングでサッと接客して、要はお客様に接客している、コミュニケーションをとっている時間が圧倒的に長かったということです。
ご興味のある方はこちらhttp://blog.goo.ne.jp/f-keiei/e/a758bf77af7d14a9bee84744012ce067
もちろんその人のキャラクターや、印象の良し悪し、セールストークのうまさ、なども関係あるとは思いますが、そもそも接客がなければ商品も売れないのですから、接客時間が長く、回数が多い方が購買にいたる可能性が高いはず。
売れないのに忙しい、と嘆くばかりでなく、営業活動のリソース配分も調査してみてはいかがでしょう。
社内の仕事も大切ですが、社外に出なければお客様との接点がありません。
社外に出ていても、移動時間や待ち時間が長ければムダになってしまいます。
以前、とある製造業の支援先で営業マンの日常業務についてヒアリングしていたところ、売上の20%しかない部門の見積作業や営業にほとんどの社員の時間が取られており、売上の60%を占める重要部門はほとんど手が付けられていないといったケースがあり驚いたことがあります。
どこに使っている時間をどのようにすれば削減して、本当に意味のある営業活動に充てることができるのか、一度分析してみてはいかがでしょうか。